家族と職場に支えられ続けられた仕事と介護の両立
- 2月13日
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今回は、ご両親の介護に向き合いながら家族での役割分担と介護保険サービスの活用、そして職場の理解に支えられて仕事を続けてきた方の体験談をご紹介します。一人で抱え込まずに向き合ってきた経験は、これから仕事と介護に備える方にとって多くのヒントになる内容です。
父の腎臓がかなり悪くなっていることを知ったのは、7年前のことでした。父と母は東京で2人暮らし。近くには妹、私は横浜、弟は埼玉と、それぞれ離れて暮らしていましたが、日々の生活は主に母が支えていました。透析が始まってからも父は前向きに生活していましたが、転倒が増え、歩行が難しくなっていきました。自宅内の環境を整えても状況は徐々に変化し、介護を担う母の負担も大きくなっていきました。私も週末に泊まりで手伝うようになりましたが、介護に従事しているため、仕事で接する方と両親の姿が重なり、感情の切り替えに戸惑うこともありました。

そんな中、理学療法士である夫が毎週父のリハビリを行ってくれました。さらに詳しい検査を受けた結果、父は「進行性核上性麻痺」という難病と診断されました。診断が下りるまで数か月、通院や検査の付き添い、各種手続きは、妹や弟の家族も含め、それぞれができることを分担して対応しました。平日の対応は妹、調整や手配は私、弟の妻も母の通院に付き添うなど、家族で役割を分け、支える体制ができていきました。その後は訪問介護や訪問看護、訪問入浴、デイケア、福祉用具など、介護保険サービスを積極的に利用。私と夫、妹夫婦も定期的に実家を訪れ、買い物や散歩など外出の機会をつくりました。体の状態が変わっても、外出を喜ぶ父の姿が、私たちの励みでもありました。
ある日、両親が自宅内で転倒し、それぞれ入院するという出来事がありました。父は大きなケガはありませんでしたが、母は右大腿骨骨折でしばらく入院に。父を自宅に1人にすることができず、私が実家に泊まり込むなど慌ただしい日々となりました。職場に状況を伝えたところ、急な有休の取得や担当業務のフォローについて「仕事のことは心配しなくて大丈夫」と温かい言葉をかけていただきました。

また、コロナ禍で面会ができない中、入院した母は不安からせん妄の症状が見られ、何度も電話がかかってくる状況でした。そんな入院中の両親からの連絡に対応できるよう配慮していただくなど、柔軟なサポートを受けることができました。こうした職場の理解があったからこそ、仕事を続けながら両親の介護に向き合うことができたと感じています。
退院後、父と母は再び自宅での生活に戻りました。ヘルパーの訪問が増えたことで母の負担も軽減され、父は車いす生活ではありましたが、穏やかな日常が続きました。その後、父は急な病で亡くなりましたが、自宅で過ごせた時間は、家族にとってかけがえのないものだったと感じています。

振り返って思うのは、「介護保険サービスを利用すること」の大切さです。当初は、できることは自分たちでと考えていました。しかし、介護サービスを利用し、家族が無理のない形で関わることで、父と母の暮らしを支えることができました。そして、急な出来事にも対応できたのは、状況を理解し、柔軟に支えてくれた職場の存在があったからこそだと感じています。
もう一つの大きな支えは、私自身の家族の存在でした。実家のことに向き合えるよう、自宅では家事を担ってくれ、私が行けないときには夫が一人で実家を訪ねてくれることもありました。仕事を辞めるという選択肢はありませんでしたが、夫が、仕事を辞めたらもっと精神的に参ってしまうと常に言っていました。「一緒に介護している」という実感が、とても大きな安心につながっていました。
家族、介護サービス、そして職場の理解。それぞれの支えがあって、今も私は仕事と介護の両立を続けることができています。






















