父の介護を通して感じたこと
- 20 時間前
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【ペンネーム/Y.H】さんからの投稿です。
Hさんが認知症になった父の介護を通して感じたことは、家族で話し合い備えておくことの大切さでした。在宅生活を続ける中で起きたさまざまな出来事、家族との意見のすれ違いや施設への入居など、13年間にわたる介護の経験を綴ってくださいました。
父は69歳で退職し、70歳で「認知症」と診断された。翌年、母ががんで亡くなり、父は一人で過ごす時間が一気に増えた。

その頃から、父の日常には少しずつズレが生じ始めた。スーパーで食パンばかり買ってきたり、炊飯器の釜をコンロに載せて米を炊こうとしたり……。しまいには隣家の庭に勝手に入ってしまい、クレームが届くこともあった。自宅の植木が伸びて迷惑をかけていると思い、切ろうとしたのだと後で分かった。父なりの理由はあったが、他人の敷地に入ってはいけないという判断が難しくなっていた。今振り返ると、父は混乱しながらも「家での暮らし」を守ろうとしていたのだと思う。
73歳でマンションへ引っ越し、デイサービスを利用しながら在宅生活を続けた。私は父の変化にも比較的冷静に向き合えたが、介護とは無縁の人生を歩んできた姉にとってはそうではなかった。日々の介護に加え、経済的な負担や今後の方針について話し合うことは大きなストレスで、きょうだい間で意見をすり合わせるのは簡単ではなかった。
ある日、出張帰りの車中で警察から電話が入った。父が一人で外出し、戻れなくなって保護されたという。住み続けることが難しい状況だと分かり、私は「もう在宅生活は無理だ」と判断せざるを得なかった。仕事、結婚、介護が重なり、心身ともに限界に近かったと思う。

施設への入居には葛藤もあったが、そこで父と過ごした時間は今も大切な思い出として残っている。面会に行くと「遅いじゃないか」と笑顔で迎えてくれた父。居室で団子を食べながら、二人でのんびりテレビを見た時間。スタッフからの「今日は○○を手伝ってくれたんですよ」という何気ない言葉が、私の気持ちを支えてくれた。
介護は母も含め13年間続いた。父の最期は病院のベッドだった。家での暮らしを守ろうとしていた父。もう少し自宅での暮らしを長くしてあげられればよかった。それが、今も残る唯一の後悔である。
介護は決して楽なものではない。でも不思議なことに、今でもまた少しだけ、あの頃に戻りたいと思うことがある。多くの人に支えられたからこそ、そう思えるのだと思う。
働きながら介護を経験したことで、家族での話し合いや備えの大切さを強く感じている。すべてを整えるのは難しいが、家族間で意見をすり合わせておくだけでも、いざというときの負担を軽くしてくれる。これは、私が仕事と介護を通して実感したリアルである。






















