「隠れ介護者」って知っていますか?
- よりそいコンシェル
- 9月4日
- 読了時間: 2分
更新日:9月17日
連日「災害級の暑さ」と報じられる日が続いていますが、皆さま体調はいかがでしょうか。

私は、夏恒例となっている大学時代の友人たちと集まる機会がありました。今年も10名ほどが集まり、30年来の仲間との会話はいくつになっても楽しいものです。ライフイベントもさほど変わりのない私たちですが、最近の話題は「健康」「子どもの教育費」、そして「親の介護」へと移り変わってきています。
そんな中、ひとりの友人の話が印象に残りました。彼女は大学進学をきっかけに愛媛県から神奈川県へ移り住み、現在も神奈川県で働いています。最近、ご両親の体調が心配になり、週末には実家へ帰って様子を見ているそうです。平日は通常通り勤務し、週末は愛媛までの長距離移動を繰り返す生活…まさに「隠れ介護者」と呼ばれる状況でした。

「職場には話しているの?」と尋ねると、彼女は「今はリーダーの立場で忙しいし、周囲に迷惑をかけたくないから話していない」と答えました。介護はどうしてもプライベートなことと捉えられがちで、誰にも打ち明けられずに抱え込んでしまう方が少なくありません。最近では、仕事と介護の両立を支援する法律も整備され、企業側でもサポート体制が整いつつあります。私はそのことを踏まえ、「週末に愛媛まで行くのは大変でしょう?職場に相談してみたら?」と伝えてみました。その場では乗り気でなかった彼女でしたが、その後お父様が救急搬送される出来事をきっかけに、職場へ事情を伝えたとのことでした。すると会社からは「しばらくはご両親のそばにいてあげてください」と温かい言葉とともに、テレワーク勤務の提案や介護休業制度の説明など、今後の働き方を一緒に考えてくれる支援があったそうです。
このことから、私は改めて「隠れ介護者」が抱える不安や葛藤の大きさ、そして支援を受けられることの大切さを実感しました。介護は誰にでも起こり得るライフイベントです。だからこそ、一人で抱え込まず身近な人や職場へ相談すること、そして利用できる制度を知って活用することが、ご本人にもご家族にも大きな支えになると考えています。