更年期ってどんなもの? ~対策・ケア編~
- よりそいコンシェル
- 1 時間前
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前回、更年期ってどんなもの?どうして症状が起きるの?というお話をしました。実は、この「更年期のしくみ」を知るだけで、症状が楽になる人がいるんです。つまり、動悸、発汗、ふるえ、めまい、胸の痛みなどが「何かたいへんな病気になったのではないか?」と不安になることで症状が悪化し、ますます不安感が強まる傾向があります。だからこそ、その背景や仕組みを知ることで、「なーんだ、そうなのか。安心した!」と気持ちが軽くなり、症状が和らぐこともあるのです。

しかし、症状をただ我慢しているだけでは、毎日の生活や仕事、家族やお友達との約束などの社交も、楽しくないばかりか、イライラや気分のおちこみで、周囲に心配をかけたりしてしまいますよね。この問題、実は世界中の女性たちの共通の健康問題なんです。
とはいえ、症状が重いのは全体の2~3割程度。症状がまったくない(と思っている)人も2~3割です。更年期症状と寿命や重病へのなりやすさは関係がありません。更年期の10年間を楽に過ごせれば、人生の大事なこの時期を我慢や心配で無駄にすることはなくなるのです!
幸いなことに、今は更年期メディカルケアも発達してきましたし、セルフケアもいろいろあります。本当につらくて動けなくなる前に、できることを始めてみましょう。
更年期を乗り越えるための4つのステップ
女性ホルモンのしくみと更年期について勉強する。
更年期に伴走してくれる「かかりつけ医(できたら産婦人科)」を見つけておく。
婦人科検診、乳がん検診、血液検査(貧血、肝機能、腎機能、脂質、糖質)、骨密度検査を受ける。甲状腺機能やリウマチ膠原病も血液検査で受けておく。異常がみつかれば専門医にかかる。
※ただし、それだけでは更年期症状は改善されないのがふつうです。
女性ホルモン補充治療、漢方治療、メンタル薬(睡眠導入薬や抗不安薬)などのメディカルケアを、かかりつけ医と相談しながら試してみる。
並行して、サプリメント、運動、心理カウンセリング、栄養バランス改善などのセルフケアを取 り入れていくと効果的です。
サプリメント:イソフラボンが有名ですが、「ITはなびらたけ*」もサイレントエストロゲンと呼ばれ、女性ホルモン様効果があるのに、女性ホルモンの悪い作用(乳房や子宮に対する細胞増殖作用)がないため、使いやすいサプリメントです。私のクリニックでもずっと取り扱っており、乳がん術後の方や、ホルモンに抵抗がある方もご利用いただいています。
生活習慣改善:ストレッチやウォーキングなどの適度な運動、良質な睡眠環境作り、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどを含むバランスの良い食事を心がけましょう。わかりきっているようでいて、意外とできている人は少ないものです。きちんと取り組み生活習慣にできれば、更年期以降も役立つ健康の土台となるでしょう。
目安は3か月です。1~2か月で改善が感じられ、3か月で落ち着くことが多いです。3か月以上続けても改善が見られない場合は、精神科や心療内科にも相談しましょう。最初に精神科や心療内科にかかる人もいますが、更年期治療を併用しないと、不眠・イライラ・落ち込みなどの症状が改善しにくいことがあります。

更年期ケアのポイントは、まず「やってみる」ことです。我慢したり、「どうせ私なんか」と諦めたりせずに、一歩を踏み出してみましょう。ひとつのケアがうまく作用してくれれば、きっと自信がでて、次の取り組みができるに違いありません。
あなたはとても大切な存在です。現代を生きる女性として、ちょっとしたケアを自分の「トリセツ(取扱説明書)」として身につけていきましょう。