更年期ってどんなもの? ~基礎知識編~
- よりそいコンシェル
- 4月11日
- 読了時間: 4分
更年期ってほとんどの女性が気になるのでは?でも、更年期ってなんなのかは、正確には知らない人が多いようです。更年期とは、女性のライフステージのうち、閉経前後の10年間を指すことばで、誰にも思春期があるように、更年期も誰にでもあります。つらい症状があるかどうかは別にして、時期をさす言葉です。
女性には、女性ホルモンの働きによって「思春期、成熟期、更年期、老年期」というライフステージがあり、これはほぼ年齢によって決まります。
思春期:10~18歳
成熟期:18~45歳
更年期:45~55歳
老年期:55歳以降

55歳で老年期なんて失礼な!ですよね。でもこれは生物学的な区分のことばです。
思春期は、女性ホルモンの働きがはじまって、からだが変わり初めて月経が来る=初経(約12歳)、そしてからだが女性として成熟する時期を指していますが、更年期は、女性ホルモンの働きが衰えて月経がとまる=閉経(約51歳)を中心に、その前後のことを言います。
日本産婦人科学会の定義では、自然の状態で1年以上月経が来なければ最後の月経を閉経とし、前後5年を更年期と定義しています。とすれば、あなたの更年期は何歳から何歳でしょうか?閉経からずいぶん経ってしか、更年期ってわかりませんよね。閉経が44歳の人もいるし、57歳の人もいるので、いつが自分にとって更年期のはじまりで、いつが終わりなのかはずっと後になってしかわかりません。でも、卵巣のなかに眠っている卵(原始卵胞)がなくなって排卵しなくなり月経が止まっていく時期が更年期なので、卵巣機能つまり妊娠機能が衰える40歳ごろから、完全に女性ホルモンの働きがゼロに近づく60歳ごろまでに、ほとんどの人が更年期を迎えます。
そして今は血液検査で調べることができます。
検査のひとつは、卵巣の中に眠っている原始卵胞数を調べるAMH(抗ミュラー官ホルモン)。これは、あとどれだけ卵巣が卵をもっているかを推測する検査として、また閉経まで短いのか長いのかを推測する検査としても使えます。
ふたつめは、血液中の女性ホルモンE2の値と、脳の指令系統FSHとLHを調べます。これによって、女性ホルモンが減っているかどうか、女性ホルモンの不足を脳が認識しているかどうかを調べ、閉経が近いかどうかを推測します。

でも、からだの変化によく気をつけて、女性ホルモンが減るとどういう症状が出やすいかを知っていると判断しやすいですね。月経の調子でもだいたいわかります。その際に、お母さんが更年期にどういう症状がでたか、それが何歳ぐらいだったかを聞いておくと参考になると思います。
更年期症状は、月経が不順になりだした頃にもっとも出やすいようです。たとえば、動悸やホットフラッシュがでる。イライラする。眠りの質がおちる。肩こりがひどくなり、手指のこわばりが出る、など。発汗やホットフラッシュが更年期症状として有名なので、これがないと更年期症状はないと思っているひともいるようですが、実は発汗がない人もいて、ただのストレス、疲れ、老化だと思いこんでいる人もいます。でも、SMI(簡略更年期指数)をつけてみてください。これが50点以上なら「更年期障害」疑いです。

動悸やホットフラッシュは、卵巣機能つまりエストロゲンの低下に脳の視床下部というところが反応し「ホルモンが足りなくなった、もっと出せ!」と興奮してどんどん指示を出すので、卵巣はそれに応えられずかわりに自律神経が暴走し起こります。だから、動悸、発汗、ふるえ、めまい、胸のしめつけ感など、まるで自律神経失調症のような症状が出るのです。
また、情緒や免疫など、その他のからだの調整機能も影響をうけるので、イライラや不安、焦燥感、不眠、じんましんや皮膚のかゆみ、ぜんそく、関節や筋肉の痛み、ふらふらする、疲れやすい、だるい、眠いなど多彩な症状が出ます。まったく更年期症状がないと思っていても、実はあれは更年期症状だったんだ、とあとで気がつくことも。
おかしいなと思ったらSMIチェックをしてみてください。そして30点以上だったら、そろそろ更年期対策が必要です。50点以上なら、婦人科医と相談しながら対策を進めましょう。対策については、次回お話します。